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なぜインプラントによる口臭は発生するの?口臭のセルフチェック方法も解説

皆様こんにちは!

横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。

インプラント治療を受けて、「快適に食事ができるようになった!」「見た目も自然で嬉しい!」と感じている方は多いかと思います。インプラントは素晴らしい治療法ですが、一つ気になるのが「口臭」の問題です。「インプラントにしてから口が臭う気がする…」というお悩みも、実は少なくありません。

今回は、インプラントが原因で口臭(特に腐敗臭)が発生してしまうメカニズムと、ご自宅で簡単にできる口臭のセルフチェック方法について、詳しく解説していきます!

■インプラントによる口臭(腐敗臭)の原因

インプラントは、人工の歯の根(インプラント体)、連結部分(アバットメント)、人工の歯(上部構造)の3つのパーツで構成されています。天然の歯と違い、インプラントの周りには「歯根膜」というクッション材がないため、細菌感染に対してはデリケートな一面を持っています。

口臭の原因となる「腐敗臭」は、主に細菌がタンパク質を分解するときに発生する揮発性硫黄化合物(VSC)というガスによるものです。インプラント周辺でこのガスが発生する主な原因を見ていきましょう。

◇インプラント周囲炎を発症している

インプラントの口臭の原因として、最も注意が必要なのが「インプラント周囲炎」です。

これは、天然の歯でいうところの「歯周病」とよく似た病気です。インプラントと歯ぐきの境目に細菌が溜まり、炎症を起こすことで、歯ぐきが腫れたり出血したりします。

炎症による出血や膿: 炎症が進行すると、歯ぐきから出血や膿が出ます。これらの血液や膿に含まれるタンパク質を口臭菌が分解することで、強い腐敗臭(ドブのような臭い、生臭い臭い)が発生します。

細菌の増殖: 炎症箇所は細菌の温床となり、口臭の原因菌が爆発的に増殖します。

インプラント周囲炎は、放っておくとインプラントを支える骨が溶けてしまい、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうこともある恐ろしい病気です。

関連記事:インプラント周囲炎とは?原因や治療法・セルフケアの仕方を紹介

◇磨き残しがある

インプラントの構造上、インプラントと上部構造(人工の歯)のつなぎ目や、インプラントと歯ぐきの境目は、天然の歯よりもプラーク(歯垢)が溜まりやすい形状をしています。

この磨き残したプラークは、口臭菌の塊です。プラーク中の細菌が食べかすや剥がれた粘膜のタンパク質を分解する際に、口臭成分が発生します。特に、インプラントの周りのプラークは、周囲炎に直結するため、毎日の丁寧なセルフケアが不可欠です。

◇ねじが緩んでいる

インプラントのパーツである人工の歯(上部構造)とアバットメント、またはアバットメントとインプラント体は、小さなネジで固定されていることが一般的です。

このネジが何らかの原因(強い噛み合わせの力など)で緩んでしまうことがあります。

すき間ができる: ネジが緩むと、パーツ間にわずかなすき間ができてしまいます。

細菌が侵入・増殖: このすき間は、歯ブラシの毛先が届かないため、プラークや細菌が溜まりやすく、中で増殖することで腐敗臭を発生させることがあります。

この場合、セルフケアでは解決できず、歯科医院での調整が必要になります。

◇代表的な口臭成分

口臭の原因となる主な物質は、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれるガスです。インプラント周囲の細菌が作り出す、代表的な3つの成分が口臭の原因となっています。

硫化水素:卵が腐ったような臭い。舌苔、歯周ポケットが発生源。

メチルメルカプタン:生ゴミのような臭い。玉ねぎが腐ったような臭い。歯周病が発生源。

ジメチルサルファイド:キャベツが腐ったような臭い。慢性的な炎症、体内の異常が原因。

特にメチルメルカプタンは、インプラント周囲炎が進行している時に多く発生すると言われており、非常に強い口臭の原因となります。

■インプラントは外して掃除できるの?

インプラントのパーツ間にプラークが溜まっていると聞くと、「自分で外して掃除したい!」と思うかもしれませんが、絶対にやめてください。

インプラントの人工の歯(上部構造)やアバットメントは、特別な工具を使って、歯科医師または歯科衛生士が歯科医院でのみ着脱・分解・清掃が可能です。

ご自宅でご自身が所有している工具や指の力などでインプラントのネジを緩めたり、上部構造を外そうとしたりすると、以下のような重大なトラブルにつながる可能性があります。

ネジの破損や変形: ネジ山が潰れて、歯科医院でも修復不能になる。

インプラント体の損傷: 骨の中に埋まっているインプラント体に負荷がかかり、結合が不安定になる。

誤飲・誤嚥の危険: 外れたパーツを飲み込んでしまう。

周囲炎の悪化: 炎症部分を傷つけてしまう。

インプラントは、外して分解掃除をする「インプラントのオーバーホール(定期的な分解清掃)」が必要となる場合があります。これは、通常の歯石取りでは届かない、インプラントとパーツの接合部の奥深くの細菌を除去するために行われます。

「最近、口臭が気になる」「インプラント周囲炎の兆候がある」といった場合は、自己判断せずに、必ず担当の歯科医師にご相談ください。定期的な歯科医院でのメンテナンスこそが、インプラントを長持ちさせ、口臭を予防する最善の方法です。

関連記事:インプラントのメンテナンスのやり方や費用は?頻度はどのくらい?

■インプラント口臭のセルフチェック

「もしかして私、インプラントから臭ってる?」と不安になっても、自分の口臭はなかなか分かりにくいものですよね。そこで、ご自宅で簡単にできる口臭のセルフチェック方法をいくつかご紹介します。

◇袋やコップに息を吹きかける

最も手軽な方法です。

1. 清潔なビニール袋や、新しい紙コップを用意します

2. その中に、ゆっくりと息を吐き込みます

3. すぐに袋の口を閉じたり、コップを手のひらで覆ったりして、数秒後にその臭いを嗅いでみてください。

ただし、鼻と口が近いのですぐには判別が難しい場合があります。別の部屋に行ってから嗅ぐなど、試行錯誤してみましょう。

◇デンタルフロスを使用する

インプラントの隣接面や、歯間部に溜まったプラークの臭いを確認する方法です。

1. デンタルフロス歯間ブラシを使って、インプラントと隣の歯の間など、特に臭いが気になる部分を優しく掃除します。

2. フロスやブラシに付着したものを、すぐに嗅いでみてください。

強烈な腐敗臭や、生臭い臭いがする場合は、その部分にプラークや血液、膿などが溜まっている可能性が高く、インプラント周囲炎の初期段階である可能性があります。

臭いを嗅ぐときは、唾液の臭いが混ざらないように、清潔な手で!

◇口臭測定器を使用する

より客観的に口臭のレベルを把握したい場合は、市販の口臭測定器(ブレスチェッカー)を使用するのもおすすめです。

携帯できるコンパクトなタイプも多く販売されており、口の中の揮発性硫黄化合物の濃度を数値やランプの色で示してくれます。

メリット: 数値で結果が出るため、セルフケアの効果を確認しやすい。

デメリット: 機器によって測定精度にばらつきがある。

セルフチェックで少しでも気になる臭いを感じたら、それは体からのSOSかもしれません。迷わず歯科医院を受診して、インプラント周囲の清掃状態をチェックしてもらいましょう。

関連記事:歯周病の口臭は臭い?どうやって予防するのが良い?

■まとめ|インプラント手術後の臭いに要注意

インプラントは、適切に手入れをすれば長期にわたって快適に使用できる素晴らしい選択肢です。しかし、その構造上、インプラント周囲炎という病気を引き起こしやすい特性も持っています。そして、インプラント周囲炎こそが、腐敗臭を伴う口臭の最大の原因となります。

インプラントを長持ちさせ、口臭の不安から解放されるためには、以下の2点が特に重要です。

1. 毎日の丁寧なセルフケア(特にインプラント周囲):インプラント専用の歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを活用する。

2. 歯科医院での定期的なメンテナンス:専門的なクリーニングと、インプラントのネジの緩みや炎症の早期発見。

インプラントは「一生もの」ではありません。ご自身の努力と、私たち歯科医院のプロのサポートで、しっかりと守っていくことが大切です。

うえの歯科医院では、インプラント治療だけでなく、インプラントを長く快適に使っていただくためのメンテナンス、そして口臭に関するお悩みまで、トータルでサポートしております。

「最近、インプラントの臭いが気になる」「セルフチェックで嫌な臭いを感じた」という方は、インプラント専門の知識を持つ当院に、ぜひお気軽にお問い合わせください。あなたのインプラントをしっかりと守り、笑顔あふれる毎日をサポートいたします!

うえの歯科医院 インプラント

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