インプラントの術式とは?一次オペや歯科衛生士の役割も解説
2025年11月20日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
歯を失ってしまった時の選択肢として、「インプラント治療」が注目されています。でも、「外科手術って聞くとなんだか怖い…」「どんな治療をするんだろう?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インプラント治療を検討されている方、または現在治療中の方に向けて、インプラント手術の基本的な術式から、メインとなる一次オペの詳細、そして歯科衛生士がどんな役割を果たしているのかを、詳しく分かりやすく解説していきます!

■インプラントの術式について
インプラント治療の基本的な流れは、あごの骨の中に人工歯根(インプラント体)を埋め込む手術を行うことから始まります。この手術には、主に「一回法」と「二回法」という2つの術式があります。
◇一回法と二回法とは
◎一回法
特徴:1度の手術でインプラント体と歯肉の上に出る土台(アバットメントの一部)を同時に連結する。
メリット:手術が一回で済むため患者様の負担が少ない。
デメリット:適応症例が限定される。(骨の量が十分にある、感染リスクが低い場合など。)
◎二回法
特徴:1回目の手術でインプラント体を埋め込み、歯肉を閉じる。数ヶ月後、2回目の手術で歯肉を開き、土台(アバットメント)を連結させる。
メリット:骨とインプラント体がしっかりと結合するのを待てるため、骨の状態が悪い場合など多くの症例に対応しやすい。感染リスクを抑えやすい。
デメリット:手術が2回必要になる。
どちらの術式を選択するかは、患者様のお口の状態(骨の量や質、全身状態など)を診査診断した上で、歯科医師が決定します。

◇インプラントで使う器具
インプラント手術は高度な精密治療であるため、特別な器具や機器を使用します。
【注意】
ここで説明する器具は一般的なものであり、当院を含め、各医院や使用するインプラントシステムによって実際に使用する器具は異なる可能性があることをご了承ください。
主に使われるのは以下の器具です。
• インプラントモーター/ドリル: 骨にインプラント体を埋入するための穴を開けるために使用されます。専用のドリルビット(バー)を取り付けます。
• サージカルガイド: インプラント体を骨に正確に埋め込む際に使用する器具です。
• オステオトーム: 主に骨の質が柔らかい場合などに、ドリルを使わず骨を叩いて圧縮・整形し、インプラントを埋入するスペースを作る器具です。
• メス、剥離子(へりはくし): 歯肉を切開したり、骨から剥離したりするために使います。
• 縫合セット: 手術後に歯肉を縫い合わせるために使います。
• 各種ミラー、ピンセット、探針: 一般的な歯科治療でも使われる、術野の確認や操作に使用する器具です。
■インプラントの一次オペはどのようなもの?
インプラント治療における「一次オペ」とは、主にインプラント体(人工歯根)をあごの骨の中に埋め込むことを目的とした最初の外科手術を指します。(※二回法の場合)
◇一次オペの術式
基本的な術式としては、
1. 歯肉を切開し、骨から剥離してあごの骨を露出させます。
2. 専用のドリルや器具を使って、インプラント体を埋め込むための穴を形成します。
3. インプラント体をその穴に埋入します。
4. 埋入後、インプラント体にカバーを装着し、歯肉を元の状態に戻して縫合します(二回法の場合)。
◇一次オペの手順
一般的な一次オペの主な流れは以下の通りです。
1. 麻酔: 局所麻酔を行います。これにより、手術中の痛みはほぼ感じなくなります。
2. 切開・剥離: 歯肉をメスで切開し、専用の器具で骨から剥離し、インプラントを埋入する骨面を露出させます。
3. ドリリング(穴あけ): 最初に細いドリルで浅い穴を開け、徐々に太く、深いドリルに変えていき、インプラントの直径・深さに合った穴を精密に形成します。
4. インプラント体埋入: 骨に形成された穴にインプラント体をねじ込みます。
5. 縫合: 歯肉を元の位置に戻し、糸でしっかりと縫い合わせます。
手術時間は、埋入する本数や症例の難易度によって異なりますが、1本あたり30分~1時間程度が目安です。
◇一次オペで使用する器具
前述の通り、メス、剥離子、インプラントモーター、ドリル、インプラント埋入器、縫合セットなどを使用します。これらはすべて滅菌処理された清潔な状態で使用されます。
◇ドリルについて
インプラント手術の成功を左右する重要な工程が「ドリリング」です。
• 精密性: インプラント体を正確な位置と角度で埋入するために、非常に精密なドリルを使用します。近年では、サージカルガイドというマウスピース型の器具を使い、より正確な穴あけを行う方法も普及しています。
• 冷却: ドリルで骨を削る際、摩擦熱が発生します。骨は熱に弱いため、熱によるダメージ(骨の壊死)を防ぐために、注水をしながらドリルを使用します。この冷却を担うのも、歯科衛生士の重要な役割の一つです。
■インプラント治療における歯科衛生士の役割
インプラント治療は歯科医師だけではなく、歯科衛生士も重要な役割を担うチーム医療です。
◇インプラント専門の歯科衛生士もいる
インプラント治療を専門的に学び、知識と技術を高めた「インプラント専門歯科衛生士」といった資格を持つスタッフも存在します。専門的な知識を持つことで、患者様へのより質の高いサポートと、治療後の長期的なメインテナンスを提供することができます。
◇患者の口腔状態をチェックする
手術前後の患者様の全身状態や、お口の中の歯周病の進行度、プラークコントロールの状態などをチェックし、歯科医師に報告します。特に歯周病はインプラントの寿命を大きく左右するため、治療前から徹底した口腔ケア指導を行います。
◇治療時に歯科医師の補助をする
手術中は、歯科医師がスムーズに安全に治療を進められるよう補助(アシスタントワーク)を行います。
• バキューム(唾液や血液の吸引)や注水による術野の確保
• 使用する器具の準備と、タイミングの良い受け渡し
• 患者様の体調変化の観察
など、集中力を要する大切な役割です。
◇インプラント治療後のメンテナンスを実施する
インプラントは「一生もの」ではありません。手術後の適切なメインテナンスがなければ、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を起こし、脱落してしまうリスクがあります。
• 専用器具によるインプラント周囲のクリーニング(インプラント体を傷つけないよう慎重に行います)
• かみ合わせのチェック
• 自宅での歯みがき方法の指導
私たち歯科衛生士は、インプラントを長持ちさせるための予防のプロフェッショナルとして、患者様と二人三脚でメインテナンスを続けていきます。
■よくある質問
インプラント治療に関して、患者様からよくいただくご質問にお答えします。
◇インプラントが絶対だめややめたほうがいいといわれる理由
インプラントは非常に有効な治療法ですが、一部では「やめたほうがいい」という声があるのも事実です。その主な理由は以下の点に集約されます。
• 治療期間が長い: 骨とインプラント体が結合するまでの治癒期間(3〜6ヶ月程度)が必要なため、治療完了までに時間がかかります。
• 治療費用が高い: 保険適用外の自由診療となるため、治療費が高額になります。
• 外科手術が必要なためリスクが高い: 外科手術を伴うため、感染や神経麻痺などの偶発症のリスクがゼロではありません。ただし、事前の精密検査とシミュレーションにより、このリスクは極限まで抑えられています。
これらのデメリットを上回るメリット(天然歯に近いかみ心地、高い審美性など)があるかどうかを、歯科医師とよく相談して判断することが大切です。
◇ストローマンのインプラントを使った術式は?
「ストローマン(Straumann)」は世界的に高いシェアを持つ、信頼性の高いインプラントメーカーです。
ストローマン社製のインプラントシステムも、症例や骨の状態に応じて、前述の一回法または二回法のいずれかの基本的な術式を用いて埋入されます。ストローマン独自の技術として、骨との結合を早める「SLActive」表面性状を持つインプラント体などがあり、より早期にインプラントが使用可能になるよう工夫された製品も提供されています。
関連記事:インプラント治療はやめたほうがいい?費用や治療期間、流れを解説
■まとめ
インプラント治療は、失った歯の機能を回復させる非常に有効な手段であり、その成功には適切な術式の選択と、歯科衛生士による術前後のサポートと長期的なメインテナンスが欠かせません。
うえの歯科医院では、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた安全なインプラント治療計画を立て、術前・術後を通してスタッフ一同でしっかりとサポートさせていただきます。
インプラントに関するご不安やご不明点がありましたら、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。
うえの歯科医院 インプラント
https://www.veritas-implant.com/sp/
【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医










