インプラントをやり直す際にかかる費用はいくら?再治療が必要なケースや可能な人の特徴を解説
2025年11月06日
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。
インプラント治療は、失った歯を取り戻すための優れた治療法ですが、費用や治療期間もかかる分、「もしインプラントがダメになったらどうなるの?」と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、インプラントをやり直す(再治療する)際について、費用や、再治療が必要になるケース、そして再治療が可能な方の特徴を徹底解説します!安心して治療を受けていただくためにも、ぜひ最後までお読みくださいね。

■インプラントは失敗したときにやり直せるのか
まず、結論からお伝えすると、インプラントは失敗したときにやり直せる可能性が高いです。
しかし、患者様のお口の状態や、インプラントを撤去した後の骨の状態など、様々な要因によって再治療が可能かどうかは変わってきます。そのため、「必ずやり直せます!」と断言はできません。
もし、ご自身のインプラントに不安を感じたり、再治療を検討されている場合は、まずはかかりつけの歯科医師にご相談いただくのが最善です。専門的な診査を受けて、ご自身にとって最適な治療法を見つけましょう。
◇インプラントには寿命がある
インプラントは、適切なお手入れと定期的なメンテナンスを行えば、10年以上の長期にわたって使用できることがわかっています。しかし、その寿命は、患者様個々のお手入れの頻度や方法、定期検診の受診状況、そして噛み合わせや全身の健康状態などにより大きく変わってきます。
インプラントを長持ちさせるためには、毎日の丁寧な歯磨きと、歯科医院でのプロフェッショナルケアが不可欠です。
関連記事:インプラントの寿命は?やらなきゃよかったと言われる理由も紹介!
■インプラントをやり直すときにかかる費用はいくら?
インプラントの再治療にかかる費用は、歯科医院ごとに異なり、また患者様の状態や必要な処置によって大きく変動するため、「いくら」と断定することは非常に難しいです。
ここでは、再治療の際に一般的に発生する可能性のある費用についてご紹介します。
【ご注意】
全員が記載されたすべてのものを必要とするわけではありません。必要な処置は、患者様のお口の状態によって異なりますので、必ず治療前に見積もりをご確認ください。
◇インプラントを取り除くとき
まず、トラブルのある既存のインプラントを安全に取り除くための費用が発生します。周囲の骨や組織へのダメージを最小限に抑えるための専門的な技術が必要となります。
◇骨造成が必要なとき
インプラントのトラブル(例:インプラント周囲炎)や、以前の手術の際に、あごの骨が溶けて減ってしまっていることがあります。この場合、新しくインプラントを埋入するための十分な骨の厚みや幅を確保するために、「骨造成術(GBRやソケットリフト、サイナスリフトなど)」という骨を増やす手術が必要となり、その分の費用が発生します。
骨造成が必要かどうかで、再治療の費用は大きく変わる要素の一つです。
◇新たにインプラント治療をするとき
古いインプラントを撤去し、お口の状態が整ったら、新しいインプラント体(人工歯根)を埋入する手術費用、そしてその上に装着する人工の歯(上部構造)の費用が発生します。これは、初めてインプラント治療を受ける時と同様の費用構造です。
関連記事:インプラントが取れたらどうする?費用や応急処置の方法を解説
■インプラントのやり直しが難しい人の特徴
残念ながら、インプラントの再治療が難しい、あるいはリスクが高くなる方もいらっしゃいます。
◇インプラントを撤去した後の骨が不足している人
以前のインプラント治療の失敗や、インプラント周囲炎などであごの骨が大きく失われてしまった場合、骨造成術を行っても十分な骨量や骨質が得られず、再度のインプラント埋入が難しくなることがあります。
◇健康状態が良くない人
インプラント手術は外科手術であるため、以下のような全身の健康状態が思わしくない方は、再治療が困難になる場合があります。
例えば…
• 重度の糖尿病:傷の治りが悪く、感染症のリスクが高まるため
• 重度の高血圧症や心臓病:手術中のリスクが高まるため
• 骨粗鬆症:骨の質が悪く、インプラントが骨と結合しにくい、あるいは骨吸収が早く進む可能性があるため
• 免疫抑制剤や特定の薬剤を服用している方
これらの持病がある場合は、必ず事前に歯科医師に詳細を伝え、担当医との連携を取りながら慎重に検討する必要があります。
◇煙草を吸っている人
喫煙は、血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、インプラントが骨と結合するのを妨げたり、術後の傷の治りを遅らせたりします。また、インプラント周囲炎の最大の原因の一つでもあり、せっかく再治療しても再びトラブルを起こすリスクが非常に高くなります。
再治療を成功させるためには、禁煙が強く推奨されます。
■インプラントの再治療が必要な3つのケース
どのような場合にインプラントの再治療が必要になるのでしょうか。主な3つのケースをご紹介します。
◇ぐらついている場合
インプラント体が、あごの骨としっかり結合していない(結合が失われた)場合や、上部構造(人工の歯)を固定しているネジが緩んでいる場合に、インプラント全体または人工歯がぐらつくことがあります。
ねじの緩みであれば比較的簡単な処置で対応できますが、インプラント体と骨の結合が失われた場合は、インプラントの撤去と再治療が必要になることが多いです。
◇病気を発症した場合
インプラント周囲の病気が進行し、再治療が必要になる場合があります。
◇インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎は、歯周病と非常によく似た病気で、インプラントの周囲の歯ぐきやあごの骨が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。
炎症が歯ぐきだけにとどまっている段階(インプラント周囲粘膜炎)であれば、クリーニングで改善が見込めますが、骨にまで炎症が及ぶとインプラントを支える骨が溶けていき、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。これが再治療の最も多い原因です。
関連記事:インプラント周囲炎とは?原因や治療法・セルフケアの仕方を紹介
◇上顎洞炎とは
上の奥歯にインプラントを埋入する際、インプラントの一部が**上顎洞(鼻の横にある空洞)**に突き出てしまう、あるいは突き出ていなくても炎症が波及することがまれにあります。これにより、鼻水や頬の痛み、頭痛といった上顎洞炎(蓄膿症)の症状を引き起こすことがあります。
◇神経性麻痺とは
非常にまれなケースですが、インプラントを埋入する際に、下あごの骨の中を通る下歯槽神経を損傷してしまうと、手術後に唇やあごに麻痺が残ってしまうことがあります。症状によってはインプラントの撤去や再治療が必要になることがあります。
◇腫れや痛みが続いている場合
手術直後の腫れや痛みは自然な反応ですが、数週間経過しても腫れや痛みが引かない、あるいは悪化している場合は、感染症やその他の問題が発生している可能性があります。放置せずに、すぐに歯科医院を受診してください。
■よくある質問
インプラントの再治療に関して、よくいただく質問にお答えします。
◇インプラントを途中でやめたら返金される?
インプラント治療は高額な治療費がかかるため、途中で治療を中断した場合の返金については気になる点かと思います。
返金の有無や金額は、残念ながら歯科医院ごとの規約によって大きく異なります。「治療のどの段階まで進んでいるか」「使用した材料は何か」などによっても判断が変わるため、治療を開始する前に、必ず医院の返金規定を確認しておくことが重要です。
◇インプラントを他院でやり直すことはできる?
インプラント治療を他院で受けたものの、その後の再治療を別の医院で行いたいというご相談は少なくありません。
他院でやり直すこと自体は可能ですが、医院ごとによって対応が分かれます。インプラントのメーカーや種類は多岐にわたるため、撤去や再治療に必要な器具をその医院が持っていない、あるいは、使用しているインプラントシステムが特殊で対応が難しいというケースもあるからです。
まずは、再治療を希望される歯科医院に、現在入っているインプラントのメーカーや種類を伝えて、受け入れ可能かどうかを問い合わせることを強くおすすめします。一般的には、以前の治療の経緯が不明なこともあり、自院で治療したものよりも難しいとされることが多いです。
◇インプラントをやり直したくなる理由は?
インプラントの再治療が必要となる基本的な理由は、「インプラントの再治療が必要な3つのケース」で書いた場合とほぼ同じです。
• インプラント周囲炎による骨の吸収
• インプラント体と骨の結合不全(ぐらつき)
• 上部構造(人工歯)の破損や不適合
などが主な原因となります。これらを避けるためにも、日頃のセルフケアと定期的なプロケアが最も重要です。
■まとめ
インプラントの再治療は、初めての治療よりも難易度が高く、費用もかさむ可能性がありますが、多くの場合でやり直しは可能です。
大切なのは、トラブルに気づいたら放置せず、すぐに信頼できる歯科医師に相談することです。そして、再治療が必要にならないように、日々の丁寧なケアと定期的なメンテナンスを徹底しましょう。
うえの歯科医院では、インプラント治療に関するあらゆるお悩みをサポートしております。再治療に関するご相談はもちろん、セカンドオピニオンもお受けしていますので、よろしければお気軽にお問い合わせください。
お口の健康を守り、笑顔を取り戻すお手伝いができることを願っております!
うえの歯科医院 インプラント
https://www.veritas-implant.com/sp/
【 所属 】
医療法人VERITAS理事長
国際インプラント学会(ICOI)会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
済生会東部病院共同診療医











